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あしあと

    東京島しょ地域におけるインバウンド拡大策に関する調査研究

    • [公開日:]
    • [更新日:]
    • ID:817

    報告書について

    調査研究の成果をまとめた報告書については、右側のリンクからご覧いただけます。

    調査研究の概要

    1 調査の目的・方法

    本調査研究は、東京島しょ地域特有の状況を踏まえてインバウンド拡大の課題を整理するとともに、ターゲット層を明確にし、これらの層が関心を寄せる事業・取組やアプローチ方法等を検討します。東京2020大会を好機ととらえ、東京島しょ地域のインバウンド拡大策の方向性や具体的な内容を提示し、地域が一体となって取り組めるように促すことを目的としています。

    2 東京島しょ地域の概況

    • 東京島しょ地域の観光客数は、近年は45万人前後の水準で推移しています。
    • 旅館・ホテルの宿泊能力(最盛期)は、伊豆諸島小計が50軒、収容人数2,663人、小笠原諸島小計が1軒、収容人数28人、民宿は伊豆諸島小計が291軒、収容人数は6,824人、小笠原諸島が75軒、収容人数1,156人。大人数の団体客が受け入れられる施設は少なく、多くが個人・少人数グループ向けです。
    • 東京島しょ地域の人口は減少傾向にあり、事業所数も減少していますが、業種別割合でみると宿泊、飲食サービス業が多く、観光が主要産業であることがうかがえます。現在の東京島しょ地域の観光産業は縮小安定の状況にあるため、打開策が求められます。
    東京島しょ地域の観光客数推移

    3 東京島しょ地域のインバウンド対応の状況

    (1)外国人旅行者

    • 羽田空港国際線ターミナルで出発を待つ外国人旅行者の東京島しょ地域認知度は29.7%(初来日者に限ると23.1%)。来日経験と認知度の間に関係がみられ、来日経験の少ない人達ではさらに認知度が低いです。
    • 東京島しょ地域を訪れる外国人は日本在住者の割合が高いです。旅行中の困ったことは、通信環境や決済環境を挙げる割合が高い一方、案内表示やコミュニケーションに困ったという割合は低いです。
    • 東京島しょ地域を訪れた外国人旅行者が発信したSNSの内容は、ダイビングやビーチなどマリンスポーツのほか、トレイルウォークなどです。満足度は自然体験に加え、温泉入浴の評価が高いです。

    (2)自治体・観光協会

    • 観光振興計画におけるインバウンド施策について計画策定済みの自治体はなく、計画策定中・検討中4自治体、策定予定なしが5自治体。観光協会は全て、自治体HPとは別に観光関連HPを作成し、それぞれ多言語対応中です。観光案内所での多言語対応は6団体あります。
    • 今後、インバウンドの拡大に向けた取組の考えは、「積極的に取り組みたい」が0自治体、「どちらかと言えば取り組みたい」が5自治体、「どちらかと言えば取り組む意向はない」が2自治体、「取り組む意向はない」が1自治体あります。
    • 同様に観光協会は、「積極的に取り組みたい」が1団体、「どちらかと言えば取り組みたい」が7団体あります。

    (3)観光関連事業者

    • 利用客に占める外国人旅行者の割合は、少しいる(利用者の10%未満)が約7割で、広く浅く接点を有しています。外国人旅行者数を3年前と比較すると、横ばいが39.4%、やや増加したと増加したを合わせた増加した・計が36.6%となっています。
    • 外国人旅行者の受入れの考えは、「どちらかと言えば取り組む意向はない」が33.8%で最も多く、次いで「どちらかと言えば取り組みたい」が32.4%、「取り組む意向はない」が14.1%、「積極的に取り組みたい」が8.5%となっています。
    • 「積極的に取り組みたい」と「どちらかと言えば取り組みたい」を合わせた「取り組みたい・計」は40.9%、「取り組む意向はない」と「どちらかと言えば取り組む意向はない」を合わせた「取り組みたくない・計」は47.4%となり、「取り組みたくない・計」が上回ります。

    (4)島民

    • 島民の多くは外国人旅行者が増えることに対して肯定的です。外国人旅行者の増加を通じて、島内消費の拡大につながることや、交流機会が増えることを期待しています。
    • 一方で、言語や習慣、文化の違いによるトラブルが発生することを心配する声も少なくありません。自分自身が外国人旅行者と交流することについては意見が拮抗しており、総論では外国人旅行者が増えることに賛成ながら、個々人では抵抗感がある状況です。

    4 外国人モニター実証実験結果

    ▼実施概要
    場所新島村新島
    参加者日本在住外国人4名
    日時2018年11月25日~27日
    移動方法(往路)大型船、(復路)高速ジェット船
    内容事前準備(船の手配、情報収集)、島内観光、観光協会担当者との意見交換
    ▼参加者の意見
    事前準備船の電話予約は英語対応がなく、日本語能力が低い外国人旅行者にはハードルが高い。インターネット予約は英語表記があるものの、会員登録が必要で、船舶利用上の様々な諸注意も難解。
    案内表示・食事・移動手段等パンフレット・マップ等の情報ツール類はわかりやすいと高評価。一方で、閑散期ということもあり、食事の場所探しに苦労したとの意見も。島内の移動はレンタサイクルが便利だったとの声。食事制限のある旅行者に対し、個々の宿だけでなく地域としてどう対応していくかは今後の課題。
    観光体験立地のよい露天風呂は“スペシャルな場所”として高評価。水着で入浴できる点も人気の理由。 閑散期ながら、自然豊かな島ならではのアクティビティ体験の満足度は高かった。特に山の自然の活用については、アイデアが多数寄せられた。冬季の魅力づくりや、滞在日数を伸ばした場合のさらなる楽しみ方の提案がほしい。

    5 ターゲットとポジショニング

    • 日本在住外国人のリピーター化でとどまっている観光コンテンツもあれば、既に海外在住者のリピーター化に至っているものもみられます。
    • コンテンツによってそれぞれポジショニングが異なりますが、まずは日本で暮らす外国人が東京島しょ地域を訪れ、好きになってもらい、やがてリピーター化したり口コミ・SNSによって海外在住の外国人の集客へ進むのが基本的な流れとなります。
    • 図の「来島」から「訪日観光客の目的地化」へ直接移行するケースも考えられ、インバウンドを加速させる意味ではむしろ望ましいです。
    ターゲットのポジショニングと集客拡大の流れ

    6 提言のまとめ(※青い提言は優先的に取り組むべきアクションプラン)

    まとめ

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    公益財団法人 東京市町村自治調査会調査課

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