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2020年度調査研究結果発表シンポジウム「自治体職員も副業・兼業の時代!~役所はどう変わる?地域はどう変わる?~」を開催しました!

[2020年12月31日]

当調査会では毎年度、市町村の自治に関する調査研究を行っています。

今回のシンポジウムは、2020年10月20日、府中市市民活動センタープラッツ バルトホールにて、昨年度の調査研究の結果を踏まえ、「自治体職員も副業・兼業の時代!~役所はどう変わる?地域はどう変わる?~」と題して開催しました。

シンポジウム概要

  1. 日時  2020年10月20日(火) 13時30分から16時30分
  2. 会場  府中市市民活動センタープラッツ バルトホール
  3. プログラム
  • 主催者挨拶
     清水 庄平 (公財)東京市町村自治調査会理事長(立川市長)

  • 基調講演
     「地域活性化に資する自治体職員の副業・兼業の可能性」
     稲継 裕昭 早稲田大学 政治経済学術院 教授

  • 調査研究結果発表
     「公務員の副業・兼業に関する調査研究結果」
     秋野 宏明 (公財)東京市町村自治調査会 調査部 研究員

  • パネルディスカッション
    【第1部:制度面から見る自治体職員の副業・兼業】

     「職員の地域貢献を後押しする『地域貢献応援制度』」
     小西 啓輔 神戸市 行財政局 組織制度課 課長

    【第2部:実践者から見る自治体職員の副業・兼業】
     「2枚目の名刺で個人も組織も地域も元気に」
     島田 正樹 さいたま市 都市局 都心整備部 東日本交流拠点整備課 主査(兼 NPO法人二枚目の名刺 メンバー)

     「公務員のイメージを変える『お笑い行政講座』」
     江上 昇   尼崎市 こども青少年局 こども青少年課
     桂山 智哉 尼崎市 総合政策局 武庫地域振興センター 武庫地域課

    【第3部:自治体職員の副業・兼業についての意見交換】

基調講演

稲継氏の講演写真

「地域活性化に資する自治体職員の副業・兼業の可能性」

 はじめに、早稲田大学政治経済学術院教授である稲継裕昭氏による基調講演が行われました。地方公務員法第38条「営利企業への従事等の制限」についての解釈や、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」、総務省の「営利企業への従事等に係る任命権者許可等に関する調査」などについて解説いただきました。
 これらを踏まえ、自治体職員の副業・兼業の今後の可能性として、兼業許可基準の明確化が必要であることや、地域貢献とスキルアップなどがポイントとなる点について述べられ、当シンポジウムの内容に係る基本的な考え方を解説していただきました。

調査研究結果発表

秋野研究員の発表写真

「公務員の副業・兼業に関する調査研究結果」

 次に、当調査会が2019年に実施しました調査研究結果について、当調査会の秋野研究員から発表を行いました。
 まず、先進事例として兵庫県神戸市・奈良県生駒市・宮崎県新富町を分析し、副業・兼業の制度類型について整理しました。また、多摩・島しょ地域アンケートを実施し、自治体によって副業・兼業の捉え方や運用が異なること、副業・兼業をやってみたい自治体職員がやや多く見られたこと、住民も自治体職員の副業・兼業について比較的肯定的に受け止めていることなどについて分析し、多摩・島しょ地域自治体が取り組むべき方策について提言を行いました。

パネルディスカッション

西尾氏の写真

 続いて、自治体職員の副業・兼業における制度設計や実施の際のポイントなどを共有することを目的に、制度面と実践者という視点から、4名の方にご登壇いただきました。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社コンセンサス・デザイン室長の西尾真治氏がコーディネーター役となり、まず登壇者に各々の取組内容を紹介いただき、パネルディスカッションを行いました。

第1部:制度面から見る自治体職員の副業・兼業

小西氏の講演写真

「職員の地域貢献を後押しする『地域貢献応援制度』」

 神戸市行財政局組織制度課課長の小西啓輔氏(WEB参加)から、神戸市の働き方改革の基本的な取組についてお話しいただき、多様で柔軟な働き方を実現する取組の1つとして「地域貢献応援制度」をご紹介いただきました。
 神戸市では、地域課題の多様化・複雑化や、地域の担い手不足が背景としてありました。そのため、市の職員が、一人の市民として地域課題の解決に参画することを後押しする取組として「地域貢献応援制度」を導入しました。
 公務員として培ってきたノウハウを活用することにより、地域活動が充実することや、地域活動を通じて得られた経験によって職員の資質が向上し、スキルアップにつながることから、市民サービスの向上に寄与できる取組であるとご紹介いただきました。

第2部:実践者から見る自治体職員の副業・兼業

島田氏の講演写真

「2枚目の名刺と自治体職員のキャリア形成」

 さいたま市都市局都心整備部東日本交流拠点整備課(兼NPO法人二枚目の名刺メンバー)の島田正樹氏から、「2枚目の名刺と自治体職員のキャリア形成」として、活動内容をご紹介いただきました。
 ご自身の経験から、キャリアへの不安などを感じたことがきっかけとなり、公務員のキャリアを考える活動を開始されました。外での活動からは、職場では得難い経験や業界を超えた人とのつながりなど、単純なお金ではない「無形資産」を得ることができるとの考えの下に活動されています。
 公務員としての価値を高めつつ、公務員をやめたとしても、80歳まで社会に価値を提供できる人材になることが必要であり、こうした外での活動は自身の生存戦略としても大切であると語られました。

江上氏桂山氏の講演写真

「公務員のイメージを変える『お笑い行政講座』」

 尼崎市こども青年局こども青少年課の江上昇氏(画像右)と尼崎市総合政策局武庫地域振興センター武庫地域課の桂山智哉氏(画像左)から、元漫才師としての経歴を踏まえた「公務員のイメージを変える『お笑い行政講座』」として、活動内容をお話しいただきました。
 お笑い行政講座とは、難しい行政課題を漫才の手法でわかりやすく住民へ説明したり、お笑い芸人が使うコミュニケーション技術を職員へ紹介するなどの活動です。面白い人が増えれば面白い人が集まる、面白い人が集まれば面白いまちになる、との考えの下で活動されています。
 副業では、通常の仕事では得られない、人脈・ネットワーク・企画力などのスキルや様々な経験が得られ、他にも副業のメリットとして、自分のやりたいことができる、個人の能力が引き出される、組織も市民も恩恵を受けることができると語られました。

第3部:自治体職員の副業・兼業についての意見交換

意見交換の様子

 ここまでの講演や取組の紹介を踏まえ、より具体的なポイントを探るべく、意見交換を行いました。実践者の本音や一般職員への広がり方、職員のスキルアップや人材育成、地域貢献の視点、都市部と郊外部での違いなど多岐にわたるテーマで、自治体職員の副業・兼業について活発な議論となりました。
 また、質疑応答では来場者の疑問に対し、各登壇者からそれぞれの知見を踏まえた回答と、副業・兼業に取り組む人へのメッセージもいただきました。
 終わりに、こういった仕事外での活動は、そもそも自分の出来ることしかやってない。自分の生活に影響が出ない範囲で、無理はしない。やりたいと思ったことを行動に移してみれば良いのではないか、といった提案をいただき、シンポジウムを終了しました。

問合せ

公益財団法人 東京市町村自治調査会 企画調査部 調査課

電話: 042-382-7722 ファックス: 042-384-6057

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