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関係人口とともに創る地域づくりに関する調査研究

[2024年3月29日]

報告書について

調査研究の成果をまとめた報告書については、右側のリンクからご覧いただけます。

調査研究の概要

背景目的等

  • 多くの自治体では、人口減少や少子高齢化により地域づくりの担い手不足という課題に直面している。そうした中、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、「関係人口」と呼ばれる、地域と多様に関わる人々が新たな地域づくりの担い手として期待されているところである。
  • 本調査研究では、関係人口をまちづくりの新たなパートナーとして地域活性化に向けた事業を展開する自治体の取組を調査研究し、自治体が関係人口とともに創る持続可能な地域づくりについて提案することを目的としている。

概論

  • 関係人口の概念が社会に広く普及した背景には、「暮らし方の多様化」「社会的な価値への関心の高まり」「SNSの普及によるつながりの拡大」といった要因がある。
  • 関係人口は広く様々な捉え方がされているため、本調査研究では関係人口を「移住でも観光でも単なる通勤でもなく、自身の内発的な動機に基づいて行動をし、かつ一定の継続性を持って多様に地域に関わる人」と定義した。
  • 関係人口による効果は、地域の担い手の創出、地域自身の変容、地域外の人々との共助などが挙げられる。
  • 地域への関わり方には様々な方法が想定され、地域と関係人口がともに心地よい関係性を選択することが重要である。

現状把握等

多摩・島しょ地域の自治体と住民に対してアンケート調査を実施した。

<ポイント>

  • 自治体が積極的に関係人口の創出・拡大に関する取組を行っている地域でも、住民の関係人口に関する認知度が低い。
  • 自治体も住民も関係人口に対して地域の産業や経済の活性化に期待している一方、住民には関係人口の活用について想像がつかない人が多い。
  • 住民以外の人が地域に継続的に関わることについて、住民は否定的な意見が3割強存在していたが、自治体は取組の課題として認識していない。

自治体アンケート

  • 課題と感じていることは「効果が確認できない(しづらい)」の回答が最多だった。

                 ※関係人口の取組を「行っている/行っていた」に該当する自治体


            <課題と感じている(感じていた)こと(複数回答)>

課題と感じている(感じていた)こと(複数回答)

住民アンケート

  • 関係人口として「関わりを持っている地域がある」と回答した人は職業別では経営者・役員、公務員、学生の順で割合が高くなっている。


        <「関係人口」として関わりを持っている地域の有無(職業別)(単数回答)>

行政や支援団体、社会に期待する支援や変化(複数回答)
住民アンケート凡例

事例調査

全国で先進的な関係人口の創出、拡大・深化に関する取組内容と、地域と関係人口をつなぐ方法を明らかにすることを目的に公開情報による文献調査とヒアリング調査を実施した。調査対象事例は次のとおり(ヒアリング調査は、表中「ヒア」列に〇)。

<ポイント>

  • 関係人口は移住・定住希望者とは異なるニーズを持つターゲットであると認識し、目的や地域にどのように関わってほしいのかを明確にする必要があること。
  • 地域と地域に関わりたいと思う人の両者のニーズを深く理解してつなぐこと。
  • 成功事例を積み重ねながら徐々に取組を拡大することで、地域の理解を得ること。
  • 地域住民が関係人口の取組は自分たちのためのものでもあると実感できるようにすること。
  • 自治体が担う役割は取組の立ち上げや受入環境の整備などが考えられること。また、地域内外の人をつなぐことも考えられるが、異動により担当者が変わることを想定して民間企業との連携や地域おこし協力隊の活用も視野に入れること。
  • 民間企業と連携する場合は、取組内容や手法を常にアップデートできるよう明確な目標設定やよりよい提案の誘導等の工夫を行う必要があること。


                      <調査対象事例一覧>

調査対象事例一覧

有識者ヒアリング調査

関係人口全般、地域と関係人口をつなぐ中間支援の必要性、多摩・島しょ地域における関係人口活用の方向性を明らかにすることを目的に有識者ヒアリングを実施した。

ヒアリング対象者

東京都立大学都市環境学部 教授 川原晋氏

ソトコト編集長 指出一正氏

NPO法人ETIC.ローカルイノベーション事業部 事業部長 伊藤淳司氏

株式会社SAGOJO 取締役 スガタカシ氏

<ポイント>

  • 自治体の目的の明確化、長期的な展望を持った取組が必要である。
  • 地域に継続的に関わるコーディネーターとなる人材の確保が必要であり、取組の継続性を担保するために中間支援組織は自走できる組織とすることが望ましい。
  • 関係人口による地域コミュニティの活性化、人材としての学生の活用と育成が考えられる。

提言

関係人口施策の推進のための取組フェーズごとに特に重要となる3つの視点から提言を整理した。

                   <関係人口施策の推進プロセス
関係人口施策の推進プロセス

まとめ

  • 多摩・島しょ地域においては、全国多くの自治体と同様に人口減少に直面している自治体や都市部のコミュニティの希薄化という課題等を抱える自治体など、まちづくりにおける課題や目指す方向性は様々である。
  • 関係人口は人口減少による地域の担い手不足を補完する人材として捉えられがちであるが、抱えている課題の性質・内容やまちづくりの方向性の違いによらず、どのような地域においてもよりよい地域づくりを支える人材となる可能性がある。
  • 今後のまちづくりの方向性や、具体的な施策等について考える際、それらを支える人材の一つとして関係人口の活用を積極的に検討することが期待される。

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公益財団法人 東京市町村自治調査会 企画調査部 調査課

電話: 042-382-7722 ファックス: 042-384-6057

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