ページの先頭です

多摩・島しょ地域における避難・避難所のあり方に関する調査研究

[2022年3月30日]

報告書について

調査研究の成果をまとめた報告書については、右側のリンクからご覧いただけます。

調査研究の概要

調査研究の背景と目的

近年、日本では台風や地震などの災害が頻発しており、多摩・島しょ地域においても災害はより身近なものとなっている。

その中、避難・避難所のあり方は度々起こる災害等により、大きく変化している。

本調査研究では、台風などの水害、地震・津波発生時に、自治体が平時よりも少ない人員・資源となる状況下で、住民の安全と良好な生活環境を提供するための避難・避難所のあり方について提示するとともに、防災担当以外の職員が災害を我が事として考え、取り組めるための方策についても示唆することを目的に実施した。

多摩・島しょ地域自治体の避難・避難所に関する現状

自治体アンケートから得られた示唆

• 避難行動要支援者(高齢者、障害者等)の支援が重要な課題となっているが、要支援者の個別避難計画の作成は十分進んでいない。
• 住民の自主的な避難所運営・協力について、自治体の期待と住民の意識にギャップがみられる(下記グラフ参照)。

職員アンケートから得られた示唆

• 災害対応の不安な点として、避難所運営時の急病人対応や要配慮者への対応、住民からの要望への対応など、避難所運営につき不安を抱いている職員が多い。
• 自治体の避難所運営における課題は、運営要員の確保と考える向きが多い(下記グラフ参照)。

住民アンケートから得られた示唆

• 発災時の避難に関する不安事・困り事として、避難所でのコロナ禍への対応や、避難後の空き巣被害、避難所での犯罪被害等が多く挙がっている(下記グラフ参照)。
• 飲料水・食料やトイレの確保など生活の質に関わる部分への要望も多く、自治体には住民ニーズに対応した総合的な生活環境向上対策が求められる。

事例調査

事例調査の概要

避難・避難所のあり方に関する自治体やNPO法人、民間企業にヒアリングを実施した。

事例調査のポイントは下記のとおりとなる。

先進事例調査の概要
 対象先ポイント
 大分県別府市全国に先駆けて、「インクルーシブ防災事業」による要支援者(障害者)の個別避難計画の作成と、これに基づく訓練・検証を実施。
 愛媛県宇和島市コロナ禍が深刻化する中、要配慮者のホテル等への宿泊費補助制度を創設し、要配慮者の安全な避難と、分散避難を推進。
 熊本県益城町熊本地震の教訓を踏まえ、「アクションカード」の作成や受援計画の拡充など、災害対応や避難所開設・運営に関する多様な取組を実施。
 高知県黒潮町南海トラフの巨大地震に備え、地区ごとのワークショップを重ね、津波避難タワーや避難路の整備など、精力的な津波防災対策を推進。
 静岡県三島市「避難所運営基本マニュアル」の整備や「避難所運営会議」の開催等により、防災分野での積極的な住民及び職員の参画を推進。
 特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク被災地において、NPO、行政、企業、ボランティアなど関係者の情報共有会議を行い、情報収集や各種調整等を実施。
 特定非営利活動法人レスキューストックヤード被災地支援NPO として、避難所のアセスメントや被災者のケア、運営支援など、専門的ノウハウを生かした多様な支援を実施。
 綜合警備保障株式会社自治体向けの災害対策サービスを提供。避難所内での犯罪発生防止には、警備員巡回、出入口におけるカメラの設置など、発生を「抑止」する取組が重要との示唆。
 生活協同組合コープみらい停電地域や孤立集落への配達、被災地への物資・ボランティア支援、防災教室の出前授業の実施など、多様な防災・減災活動を展開。

多摩・島しょ地域自治体における避難・避難所のあり方に関する課題と提言

一般的に、災害が起きてからできることは少なく、災害発生後は、自治体は生活再建に向けた復旧、復興に注力する必要がある。そのため、自治体は事前の備えに力を入れ、災害が起きてからの避難や避難所運営は、自治体職員の人員不足により、住民をはじめとする自助・共助で対応しなければ難局を乗り越えられない。
こうした前提のもと、調査結果を踏まえた多摩・島しょ地域における避難・避難所のあり方に関する課題と、これに対応する方向性と取組を、次のとおり提言する。

関連コンテンツ

記事タイトル

問合せ

公益財団法人 東京市町村自治調査会 企画調査部 調査課

電話: 042-382-7722 ファックス: 042-384-6057

問合せフォーム

ご意見をお聞かせください

このページは役に立ちましたか?

このページは見つけやすかったですか?

ご意見は、今後の参考とさせていただきます。ありがとうございました。