平成26年度 調査研究結果発表シンポジウム「多摩地域の空き家を考える~空き家って?どうなる?どうする?~」
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平成26年度 調査研究結果発表シンポジウム 多摩地域の空き家を考える~空き家って?どうなる?どうする?~ を開催しました!
空き家の問題は本来、個人財産上の問題ですが、長期間放置されることにより倒壊の危険性が高まるほか、ごみの不法投棄や放火の不安等、地域住民の生活を脅かす原因となる恐れがあります。 現在、人口減少が始まった全国各地の自治体をはじめとして空き家対策事業の実施や条例制定を行う動きが広がっています。 約400万の人口を抱えている多摩地域は約10年後に人口減少が始まると思われ、多くの空き家が発生するとみられます。
このシンポジウムでは当調査会が平成25年度に行った自治体の空き家対策に関する調査研究の成果を踏まえながら、予想される多摩地域の「空き家問題」に対して行政をはじめ、住民や民間団体での関わりについて考えるシンポジウムを開催しました。当日は300名を超える住民の皆様や自治体職員にご参加いただき、会場の座席が埋め尽くされる盛況ぶりでした。

シンポジウム概要
- 日時 平成26年7月24日(木)
13時30分から16時30分 - 会場 府中グリーンプラザ けやきホール
- プログラム
- 主催者挨拶 竹内 俊夫 ((公財)東京市町村自治調査会 理事長/青梅市長)
- 開催市挨拶 高野 律雄 (府中市長)
(1)はじめに 「外部不経済を生む空き家」と「空き家発生のメカニズム」
豊田 充 (株)浜銀総合研究所 地域戦略研究部 副主任研究員
(2)基調講演 行政による空き家対策の最前線
北村 喜宣 (上智大学法科大学院長)
(3)調査研究結果発表 多摩地域における総合的な空き家対策 ~予防•応急•活用の視点から~
古川 拓朗 ((公財)東京市町村自治調査会 調査部研究員)
(4)パネルディスカッション みんなで取り組む「地域の空き家」
北村 喜宣 上智大学法科大学院長
上田 真一 NPO法人 空家・空地管理センター事務局長
斉藤 道生 (一社)移住・住みかえ支援機構 専務業務役員 副代表理事
宮木 高一 八王子市 生活安全部 防犯課長
コーディネーター:豊田 充

調査研究結果発表シンポジウムの様子
(1) はじめに「外部不経済を生む空き家」と「空き家発生のメカニズム」
そもそも、空き家の何が問題なのか?ということをご参加の皆様にご理解いただくため、空き家は所有者だけの問題にとどまらず、防犯や衛生上の問題、火災の発生の誘発など地域における問題にもなり得るといった報告が行われました。また、多摩地域においての空き家の数を含めた現状を解説するとともに、空き家化の原因が、主に住宅の需給バランスの不均衡や相続に伴うものであることが説明されました。
(2)基調講演 行政による空き家対策の最前線
上智大学法科大学院長の北村喜宣先生をお迎えして、行政の視点による空き家対策の手法をご講演いただきました。そのなかでも、いわゆる“空き家条例” や、その他法制度の活用と問題点の解説に加えて、“空き家対策特措法”についてもお話しいただきました。
(3) 調査研究結果発表 多摩地域における総合的な空き家対策~予防・応急・活用の視点から~
平成25年度に当調査会が発行した「自治体の空き家対策に関する調査研究報告書」をもとに報告が行われました。 報告書では、約10年後においては多摩地域の空き家数が約61万戸(率は25.3%と現在の約2.5倍)に達すると予測し、そのための対策として空き家化の防止や不適正管理を防止する“予防”の視点が今後の多摩地域では重要な対策であるとしています。そのうえで、行政内部はもとより、地域の自治会や、法人など様々な主体が連携して総合的に対策を行う必要性があることを報告しました。

パネルディスカッションの様子
(4)パネルディスカッション
行政やNPO、民間法人で実際に空き家に携わる方々を中心に「公」と「民」の役割や多摩地域における「担い手」の可能性を議論いただくとともに、「公助」「共助」「自助」の視点を持って空き家に関わることの重要性が提言されました。