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姉妹都市・友好都市交流の新たな可能性に関する調査研究報告書 概要

[2014年4月23日]

調査概要

自治体間の姉妹都市・友好都市交流(以下「姉妹都市等交流」)は幅広い分野で実施されてきたが、自治体行政に与える影響は必ずしも有益な状態とは言い切れない側面がある。また、自治体の財政難等の理由から自治体が行う事業全体の縮減等が求められており、交流事業もより効率的・効果的な運営が求められている。

本調査研究では、これまでの姉妹都市等交流のあり方を見直し、改めて交流の持つ意義や有益性、課題点などを明らかにし、課題解決のための方策を提示した。さらに、姉妹都市等交流を活用した新たな可能性について提言した。

1.姉妹都市等交流の実態

自治体アンケートから見た姉妹都市等交流の実態は以下のとおりであった。

姉妹都市等交流の傾向
項目傾向 
交流事業の実施状況多摩・島しょ地域の約7割の自治体が姉妹都市等の交流事業を実施している。
交流のきっかけ・分野交流のきっかけとして、歴史的経緯、地理的環境によるものが多く、交流分野では「観光」「歴史・文化」「教育」分野が多い。
交流事業への参加主体行政主体が交流の中心の場合が多いが、一部NPO、市民団体の参加も見られる。
庁内の状況自治体において、交流事業の専任職員を配置している場合は少ない。また、交流計画や目標等の策定、見直し・改善は未実施の割合が多い。
交流事業の活性化状況約半数が、「活発」「どちらかといえば活発」と認識している。
交流事業の成果多摩・島しょ地域は「多文化理解の促進」、交流先自治体は「自自治体の魅力発信」が一番の成果と認識している。

2.姉妹都市等交流の課題の整理

自治体内の課題と自治体間の課題を整理した図

自治体内の課題と自治体間の課題を整理した図

3.姉妹都市等交流の活用に向けた方向性

(1)自治体間の課題 自治体間のニーズマッチングの充実

方向性(1) 交流開始時のマッチング機会の創出

交流開始前から、交流の目的や具体的な交流事業について意見交換をする。

  • 第三者を利用したマッチング精度の向上
  • 交流会議等への参加

方向性(2) 交流開始後の段階的なマッチングの実施

交流開始後に積極的かつ継続的な情報交換を行い、交流事業を展開するなかで交流先とのニーズをマッチングしていく。

  • 継続的な情報交換による交流ニーズの明確化
  • 交流事業の定期的な見直し・改善

(2)自治体内の課題 自治体内の交流推進体制の強化

方向性(1) 全庁的な交流事業の推進体制の構築 

交流担当課だけで交流事業を進めるのではなく、個別事業課を積極的に巻き込んでいき、交流事業の活用について全庁的に考えていく。

  • 交流担当課の人材育成・確保
  • 部署横断型の協力体制の構築 

方向性(2) 市民、事業者等への参加促進

交流事業に興味を持った市民の参加意欲をさらに高める工夫や、交流事業を支える市民への育成、活用を促進する。

  • 市民、事業者等に対する周知の強化
  • 参加者への支援充実
  • 交流の担い手との協力強化

4.姉妹都市等交流の新たな展開に向けて

(1)姉妹都市等交流に期待される新たな可能性

姉妹都市等交流に期待される新たな可能性として、次の2つが挙げられる。

(a) 政策課題解決に向けた交流の活用

  • これまでの交流から培われた相互理解をもとに、自治体が抱える政策課題という「弱み」に対し、交流先が有する「強み」を活かした解決策を考える、政策課題解決に向けた交流の活用を進める。
  • 政策課題解決に向けた交流の活用により、幅広い市民に対する交流効果の還元による交流事業への理解の推進や、交流目的の設定による評価や見直し・改善の推進、予算や人員の確保による交流事業の活性化が期待できる。
(b) ネットワーク型交流の構築
  •  一対一の姉妹都市等交流から得られた相互理解や信頼関係を土台として、多数の自治体がつながる緩やかな自治体連携の枠組みである「ネットワーク型交流」を構築する。
  • ネットワーク型交流を活用し、多数の自治体と柔軟に交流を進めておくことにより、多様な行政経営ノウハウの習得や、行政基盤のバックアップ体制の確立が進み、行政経営基盤の強化を図ることが期待できる。

 

(2)新たな可能性の実現に向けたポイント

政策課題の解決に向けた交流や、ネットワーク型交流の構築により、姉妹都市等交流に期待される新たな可能性を実現するために、次の3つのポイントが挙げられる。

(a) お互いに交流のメリットを見つけ出すこと
  • 人口規模、予算規模等の自治体の規模や、住民の購買力等の差から、相互にメリットのある交流に見えない交流でも、交流を通じて自自治体にはない環境や課題から学ぶ等、お互いに交流のメリットを見つけ出す。
(b) 情報発信を通じて、交流の意義の周知を進めること
  • 自治体としてどのような目的のもとに交流を行っており、その中で自自治体が参加する意味について、市民や議会に積極的に発信し、説明責任を果たす。
(c) 持続可能な交流体制を構築すること
  •  交流担当課同士が交流の基盤となる交流窓口としての機能を果たせるような体制を中心に、庁内・庁外の多様な主体を巻き込んだ持続可能な交流体制を構築する。
  • 首長のトップマネジメントのもと、これまで交流事業を支えてきた職員の経験やノウハウを活かして、自治体全体で交流を盛り上げる。

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公益財団法人 東京市町村自治調査会 調査部

電話: 042-382-7722 ファックス: 042-384-6057

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